top of page
津田識義

第39回 サバイバルの法則 その4

(1)サバイバル法則7:Take breaks~休憩せよ~

●私も最初のうちはやるべき作業にだけ集中し、

 くつろいだり楽しんだりすることを忘れがちでした。

●しかし、何らかの気晴らしが必要だと気づきました。

●ボルネオでは休憩を取ることで気分が一新しました。

(10分滝で水浴び)

●ずっと気を張ったまま生きることはできません。

 精神的にも肉体的にもリラックスする時間が必要です。

●その環境に溶け込み楽しむ一時を持つこと。そ

 れができると最低限のサバイバル生活から余裕ある暮らしへの足がかりとなります。



 下表は、ロバートカッツ氏の有名なカッツ理論です。職位があがれば上がるほど、コンセプチャルスキルが求められるようになり、逆に、テクニカルスキルの領域は減少します。

 日本企業の場合、現場たたき上げの卓越したスキルを有する人財が昇進・昇格するケースが多く、それの良い面はたくさんありますが、デメリットもあります。


 小生がクライアント企業で良く見かけるのが、ポジションが上がっているにもかかわらず、テクニカルスキル重視から脱却できない管理職層が非常に多いという事態です。

 部長になったからには部下たちよりも一生懸命頑張らなければならないという思いから、今まで以上に現業で頑張ってしまう。


 頑張らなければいけないのはもちろんなのですが、頑張る領域が変わっている事に気づいていないもしくは、気づいてはいるものの、自分が他者よりも秀でていて優位に立てるコンフォートゾーンから脱却したくないという気持ちの方が強いでしょうか。

 職位が上がって求められる概念能力は組織の上層部、特に経営層や戦略を決定する役職において重要となり、単に現状の問題を解決するだけでなく、将来にわたって組織が直面する可能性の高い問題やチャンスを予測し、それに対する準備を行う責任を持つことになります。

 そのためには、部門・チーム全体を俯瞰し、抽象的な思考を行う能力、すなわち概念能力が求められます。経営者に求められる3視(視野・視座・視点)でいうところの視野を広く、視座高く、視点を鋭くしていくことが求められます。


 ではどうすればよいか。

 

 その答えは、テクニカル領域で頑張らないということです。

部下を頑張らせるにはどうするかを考えれば良くて、本人は時間を創って、将来を予測し、対策を練ることにその時間を使っていただきたいのです。

 とはいえ、その対策を組織全体に行き渡らせるのは至難の業です。

 なぜならば歴史のある企業ほど、今まで100年以上大丈夫だったからきっと明日も大丈夫。そんな大きな変化はないとか、ライバルが進出してきても相手にはならないとか、特に根拠のないトレンドが続くという思い込みが組織全体特に上層部に蔓延しているからです。


 現状そのような企業が多いので、ここは法則7に則って、少し肩の力を抜いてじっくりじわじわと将来の変化に思いを馳せながら、変化のストーリを語り続けてみてください。

 1~2年の努力で組織の認識が変わらなくても焦る必要はありません。

 100年の歴史、しみついた成功法則を変えるにはそう簡単でないことは経験しておりますので、ここは長期戦でいきましょう。



(2)サバイバル法則8:●Work smart not hard~賢く働け~

●独力で暮らしていくには、時間を有効に使うことが大事です。

●例えば、罠を作るにはかなりの時間と労力を要します。

 でも、仕掛けておけば、あとは罠が仕事をしてくれるので、時間を有効に使えます。

●賢く働き、自然と調和して、生きる方法を学ぶ。



 エド氏が魚や獲物を捕まえるために、多くの冒険でその土地土地に合った様々な罠を作っていきます。毎回環境が変わるので相当な労力や知恵が必要になります。良く地元の人に罠の作り方を教えてもらっている姿が印象に残ります。


 経営に例えると、その罠に該当するツールは多々存在します。約30数年にオフィスにパソコンが入ってきました。その前は会社に大きな基幹システムと社員一人一人にワープロでした。その後PCの性能とアプリは飛躍的に向上し、最近ではオフィスに行かなくても仕事ができるようにまで進化しました。


 今後はどうなるでしょう?

 当然AIがオフィスに入ってきて、各段に生産性があがるでしょう。

 RPAが導入され、力のいる仕事は昔話になるでしょう。

 今後多くの先進企業がAIとRPAを導入してくるでしょうから、生産性競争の観点から多くの企業での標準装備となると予測できます。


 ゆえに過渡期としてもっとも大事なのが、計画的な設備投資計画と仕事(特にテクニカル領域)の移行計画になります。そして最大の罠=どの領域に有能な人材を配置するか、どんな役割を発揮してもらうか。

 これが経営の雌雄を決することになるのではと考えております。

 人材配置の時に特に気を付けなければならないのでが、〝適材適所“の罠です。適材適所はまずは人ありきで、その人にあった役割を探してくるという考えです。


 小生が強くお勧めしているのが〝適所適材“の考え方です。


 まずは、戦略目標を達成するにはどうゆう機能が必要かを考えて、それにふさわしい人財を探してくるもしくは育て上げるという発想です。

 前のブログで記した業務組織図がこれに該当します。

 この業務組織図はAI時代の人事戦略の有効なツールになると考えます。     



 ◆次回サバイバルの法則その5(サバイバルの法則の最終回)に続く◆

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page