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第36回 サバイバルの法則 その1

udreamcojp

 今回より、数回に分けて、サバイバルの法則を紹介していきたいと思います。

 最近は、ほぼ毎日倒産情報が舞い込んできます。環境も今後激変が予想されます。

 まさにこの世はサバイバルです。

 また、かのダーウィン氏は言いました。「強いものが生き延びるのではなく、環境変化に対応し、生き延びたものが強い」と。


 そこでサバイバル時代にお役に立てるのではないかと思ったのが、我が心の師匠(と勝手に思っている・・・)エド・スタッフォード氏のものです。

 彼は元軍人でサバイバル生活の達人であります。生き延びるために環境を鋭く分析し、人間が生き延びるのに必要な4要素Water・Fire・Food・Shelterの入手すべき優先順位を瞬時に判断し、身近にあるものを活用し卓越なスキルでより快適、高機能なものに作り替えていきます。このサバイバルの法則は、現代のVUCAの時代に舵取りをする経営陣に相当な叡智をもたらすのではないかと感じます。


(1)サバイバル法則1:
   Stop and make a plan ~慎重に計画を立てろ~

●未知の環境では、気が焦って頭が混乱しがちです。

●私が辺境の地に降り立って最初にやることは、その場で立ち止まって、

 考える時間を持つことです。

●周りを良く見て計画を立てるためです。

●成功の鍵は心を静め、冷静になって考えること。

●考える時間を持てば、まず何をするべきかが明確になります。

 ~WATER?SHELTER?FIRE?FOOD?~

●何を最優先すべきかは環境によって異なります。


 多くの経営者の方と話していて最近特に感じるのは、「今のままでなんとかなる。過去ずっとそうしてきて、今まで何十年も大丈夫だったのだから」という発言が多いという事です。経営環境は過去に例を見ない状況に突入し、今後も昔のようには戻らないと想定される中で、大変心許ないと感じざるをえません。

 エネルギーコストの上昇、気温の上昇、豪雨、戦争、少子化、高齢化、人材不足、離職率上昇、インドを筆頭にグローバルサウスの台頭等々不確実要素が満載です。

 一度腰をおちつけて、それら変動要素の自社にあたえる影響度合いを想像してみる良い機会かもしれません。



(2)サバイバル法則2:Think like a local~地元の人に倣え~

●毎回違う環境だったので、新しいスキルが必要でした。

●地元の人は卓越した技を持っていました。基地作りや火おこしについて。

●地元の人のまねをすると新しい環境に素早くなじめます

●彼らは、どこに何があり、どう使うかという知識を蓄積しています。

●謙虚な姿勢で地元の人に教えを乞い、知識を増やすことが非常に重要です。


 昔の小説で、新田次郎氏の『八甲田山死の彷徨』という小説があります。

 その中のワンシーンで、ほぼ壊滅状態となった隊は、地元民を馬鹿にし、案内人役を拒絶。一方、無事に生還した隊は案内員役のいう事を良く聞きました。

 郷に入れば郷に従えとはまさにこのことかと思います。その土地に暮らす方は何十年も何百年もその土地で生き延びるための知恵を蓄積されているわけですから、新参者は謙虚に学ぶのが正解かと考えます。


 こちらの法則に該当するのが、海外展開をしている企業ではないでしょうか。

 日本本社の意向が極めて強く、海外ブランチや工場に権限を与えていないメーカーでは、良くある話ですが、日本基準でモノを作成するとどうしてもオーバースペックになってしまい原価が跳ね上がり、地元の感覚とあわなくなってしまう。もっと言えば、スペックは落ちるけれども価格で圧倒的に安い国の製品にシェアを奪われてしまい、結果として赤字を積み上げてしまうという問題です。


対策としては、

ローカルスタッフをしっかり育成して、経営陣に入ってもらう。

優秀なマーケターを派遣し、権限を付与する

海外にMD(Managing Director)として派遣する前に、本国でしっかり経営者として育て上げる。上記②と同様に権限を付与する。


 国内の場合でも、エリアによる特性の違いにより、同様の法則が通用する場合もあります。本社のエリアと支社のエリアの違いをしっかり見極めて、地元の文化や人の意見を尊重する姿勢が求められます。



次回、サバイバルの法則3に続く。

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