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第14回 戦術を列挙する重要性

  • 執筆者の写真: 津田識義
    津田識義
  • 2021年9月27日
  • 読了時間: 3分

プランニングプロセスに基づく戦略策定偏の最終回シリーズになります。


●戦術設定の落とし穴:一本決め打ち傾向(もしくはワンパターン)

 戦術とは、「戦略を実現させるための具体的な手段・方法」です。仮に戦略が右に行くという事だった場合、いろいろな右に行く方法があるはずなのに、ひとつ思いついてしまったら、思考回路が停止してしまうような傾向です。


●一本決め打ち傾向(もしくはワンパターン)に対抗する

 一本決め打ち傾向(もしくはワンパターン)に対抗するには、まず、紙から炎がでるくらいに、様々な戦術を列挙することをお勧めします。100でも200でも多く列挙することが肝要です。

 なぜならば、戦術がひとつしかない場合、その戦術が失敗すると戦略も失敗ということになってしまうからです。戦略は合っていたのに戦術だけが間違っていたというケースもありますので、戦術がひとつしかないという状況は大変危険です。状況に対応した戦術が構築されていない場合、改めて戦略レベルから見直すには相当の時間的ロスが発生してしまうからです。


●戦術を評価する

 次の図をご覧ください。戦術を実行する際の予見や制約条件(ビジネスであれば一般的には予算・予想される成果・社員の協力度・緊急度・重要度・費用対効果等)を具体的な評価軸として点数化してみましょう。

 現場に戦術を浸透させるためには、戦術選定の評価軸を明確にし、しっかり説明できるようにしておくことが肝要です。


●図:(例)空手家VS柔道家:空手家の戦略戦術を考える


【STEP1:対抗戦略】

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⇒戦略方向性:間合いを保ちつつ、体力が摩耗しないうちに、一瞬のスキをつきノックダウンを狙う


【STEP2:戦術アイデアラッシュと評価】

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※戦略目標を達成する戦術を列挙し、評価項目を考え優先順位をつけて、ポイントの高い戦術から実行し、順次2番手3番手と移っていく。


●戦術の浸透

 戦術の組織・チーム浸透のためには、ビジュアルで分かりやすくまとめられたゲームプランについてプレゼンスキルを活用しながら何度も何度も説明していきます。

 例えばサッカーやバスケでは各プロチームの監督やポジション別プロコーチが短時間の間にホワイトボードに絵を描きながらゲームプランと戦術を説明し、確認していきます。ゲームシミュレーションを何度も繰り返していくと、全員の理解度が増して、状況に応じた対応がチームとしてできるようになってきます。

 この戦術浸透手法をビジネスの世界で実施されることをお勧めします。「こんなケースにはこう行動する」というプランとオプションが共有されているチーム程強いものはありません。



 ◆次回からは、本題の人財育成のテーマに入っていこうと思います。


 
 
 

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